謹んで新春のお慶びを申し上げます。
去る2020年は、Covit-19が猛威を振るい、容易ならざる一年であったかと思います。
そのような状況下ではございますが、開業より1周年を迎える事が出来ました。
一重に、ご関係者各位の温かいご理解とご支援により、こうして一つの節目を迎える事が出来ました。深く御礼を申し上げます。
2020年、私の身を置く「事業創出」の領域は、大きく3つの潮流がございました。
1つは、想像に難くないかもしれませんが、「新規事業予算の縮小」が一部の業態において起こりました。周囲のビジネスパートナーの皆様との間でも、日々話題にあがっておりましたが、コロナ禍において主たる事業への影響が大きかった業態において、苦渋のご決断をされた企業様もいらっしゃいました。
2つ目は、先の内容に反して、「将来への投資と、既存事業の価値の見直し」が起きた事です。各企業様では、これまでの事業ポートフォリオの管理指針を見直され、結果として新規事業への投資が急務とご判断をされるケースがございました。また、主たるキャッシュフローを生み出している「主力の既存事業」が、コロナ禍においてお客様にどのように捉えられているかを点検したいという事で、「ヒューマンセンタードデザイン」の手法に回帰し、事業の提供価値を見直される動きがございました。
最後は、「DXのすそ野の拡張」です。予期せず、外出自粛とリモートワークが必要となり、これまでデジタル化から縁遠かった事業者の皆様も検討の機会となりました。これによりサービス提供をされている関連事業者の皆さんの事業が加速された一年でもありました。
このような中で、一つ一つご縁を紡がせて頂きながら、1年間、事業を継続してくることが出来ました。支えて下さいました全ての皆様に厚く御礼を申し上げます。
さて、2021年もCovit-19の感染数でみれば、さらなる増加の報道が続いています。
我々、ヒューマンセンタードデザインを生業にするものとしては、「ワクチンの普及」が、生活様式のターニングポイントとして影響を与えるものとして注目をしております。医学的、社会的意味を持つ事はさることながら、私たちは「価値観の醸成と生活様式の変化」に着目をしております。
ワクチン普及以降、「コロナ前に戻る生活様式」「コロナ後に変化した生活様式が続くもの」「コロナ前に戻すべきだが戻せずに、『不』を生む生活様式」「コロナ前、コロナ中とも違う新しく生まれる生活様式」と、価値観が一時的に大きく割れ、徐々に統合され、最後に現象として具体的な人の行動としてあらわれてくる、これらの期間の変化を追いつづける事が、短期的には今後の事業創出のポイントになるのではと考えております。
また、世界を見渡してみれば、事業において「社会性のリテラシー」が求められる時代へと変化を感じています。ラウンドテーブルで営利のみの追及との決別を、アメリカの経営者たちが宣言して以降、著名な機関投資家のトップが「気候変動」という環境要因に対して企業経営者へ注文を出すという事が起きました。また、ロングタームでのリターンに重きを置いた証券取引所が開設され、事業を行う目的が見直され始めています。
これから創る事業においても、これらの考え方を取り入れた事業創出手法の確立は急務であると言え、現在、実証実験のプロジェクトをスタートしております。
2021年、極めて不確実性の高い時世故に、今一度初心に帰り、世の中の変化に丁寧に目を向けながら、新たな価値創造に寄与してまいる所存でございます。
皆様、本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2021年1月1日
河西 祐介
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